20年春闘、コロナ禍で交渉難航-賃金改善は23組合、1ヶ月6262円

  • 2020年8月5日(水)
会見の冒頭、マスクを取って挨拶する後藤氏

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は8月4日、2020年春闘について6月19日時点の集計結果を報告した。それによると要求書を提出したのは115組合で、そのうち賃金改善を要求したのは75組合、一時金は92組合、最低保障賃金は73組合となった。

 サービス連合にとって今年の春闘は「ツーリズム産業にとって存亡の危機、危機的と表現される状況」(会長の後藤常康氏)のもとで進められ、長引くコロナ感染症の拡大により業績への影響も深刻度を増していったため、「厳しい状況下でこれまでにない交渉を強いられた」(副事務局長の櫻田あすか氏)。日を追うごとに交渉環境が厳しくなるなか「雇用を守ることを最優先しつつも、労働条件の向上にもしっかり取り組み、労使で協議を重ねた」(同)結果、集計締め切りの6月19日までに合意したのは合計93組合で、昨年と比較すると9組合の減少となった。

 賃金改善について見ると、回答を得た70組合のうち実質的な賃金改善を引き出せたのは昨年より23組合少ない23組合で、文字通り半減した。ただし、実現できた賃金改善額は平均で6262円(2.27%)で前年同日の6472円(2.28%)と比較してそれほど減少しておらず、「このような状況のもとでも、中期的な賃金目標である『35歳年収550万円』の実現に向け、多くの組合が方針に沿った要求を掲げて粘り強く交渉した結果、実質的な賃金改善を獲得した事例もある点を評価したい」(櫻田氏)と振り返っている。

 一方、業績と連動する年間一時金については「ぎりぎりまで業績が見通せないことから、先行きの不透明感を理由とする会社側との間で継続協議となるなど交渉が長引いている」(櫻田氏)ために、合意したのは前年同日の32組合を14組合も下回る18組合に留まった。金額も平均で2.41ヶ月となり、前年同日の平均2.95ヶ月を下回った。また夏期一時金については86組合の平均が0.85ヶ月となり前年同日の1.40ヶ月(93組合)を大きく下回った。

 また会見では、ツーリズム産業の今後の見通しと2020年秋闘方針についても説明。このうち今後の見通しについて後藤氏は、「中国などで生産が上がりつつあり物流の動きが出始め、国際航空貨物はまだ良い方だが、旅行・宿泊は総じて厳しい。残念ながらGoToキャンペーンもいろいろな意味で効果は期待できない状況で、当面は厳しい状況が続くだろう」としている。

 秋闘については、経済再生、産業復興、魅力ある産業の実現に向け、労働条件の維持・改善に全力を傾注する春闘方針を引き継ぐ。また各組合が企業業績や財務状況を事前に十分把握したうえで、企業状況に応じて具体的な方針を早期に確立し、「10月31日までに要求を提出し、11月30日までの決着をめざしたい」(櫻田氏)としている。秋闘要求基準の主な内容は次の通り。

サービス連合、2020年秋闘方針

正規労働者の一時金要求・賃金改善は、中期的な賃金目標「35歳年収550万円」に向け、サービス連合が策定する「指標」を活用して加盟組合が主体的に水準向上に取り組む。「指標」を活用しない加盟組合における一時金の年間要求基準を4.0ヶ月とする。
契約社員やパートタイマーなどの待遇改善は、2021年4月に中小企業にも施行される同一労働同一賃金をはじめとする待遇差の改善に継続して取り組む。
最低保障賃金協定の締結については、第19回中央委員会で確認した産業別最低保障賃金ならびにポイント年齢別最低保障賃金の協定化に、すべての加盟組合で取り組む。
総労働時間短縮については、年間総実労働時間1800時間達成をめざす。また年間所定内労働時間が2000時間を超える加盟組合は、1日の所定労働時間の短縮と時間外・休日労働時間の縮減、休日数の拡大に重点的に取り組むこととし、総実労働時間については毎年15時間ずつの短縮をめざしていく。

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